カケルはその場を去りたい気持ちに駆られ、同時に声のする方向から目を離す事が
できなくなってしまった。
後ずさりしたくても、目をそらしたくても、体が固まったように動かない・・・。
そして、声の主がこちらへ向かって来る気配がした。
ゆっくりと、階段を降りて来る・・・。
「うっ うわ うわぁ~っ!」
思わず声にならない声が出た。
その声に、祖母の幸子が飛んできた。
「カケル、どうしたの?」
幸子の目に、階段を見つめたまま一歩も動かず、おびえてふるえているカケルの姿が
写った。
おそるおそる階段を見上げると・・・。
何とそこには、5,6歳くらいの女の子が立っていた。
おびえるだけのカケルとは違って、祖母の幸子は徐々に落ち着いて行った。
「もしかして・・・あなたは。 ・・・・・・美沙子? 美沙子・・・よね?」
幸子は、まるでとりつかれたようにフラフラとカケルの横をすり抜け、女の子に向かって
階段を登って行く。
「そのおかっぱの髪は、私がいつも切っていた。 その赤いセーターは、私が編んだものよ。
間違いない。」
泣いていた女の子は、ふと泣くのをやめて不思議そうに幸子を見つめた。
カケルはようやく体のこわばりが消えて、普通に考えることができるようになった。
「おばあ・・・ちゃん」
声をかけると、幸子は女の子を見つめたままで言った。
「この子は・・・美沙子よ。5歳の頃の。間違いない・・・美沙子だよ」
そして涙で声をつまらせながら手を差し伸べた。
「美沙子って・・・母さんのこと? でもどうして?何で母さんなの?」
現実の母・美沙子は、自分を5歳のユナだと言い張って病院にいる。
そして今度は、5歳の美沙子がここにいる。
一体、どうなっているのだ・・・・?
できなくなってしまった。
後ずさりしたくても、目をそらしたくても、体が固まったように動かない・・・。
そして、声の主がこちらへ向かって来る気配がした。
ゆっくりと、階段を降りて来る・・・。
「うっ うわ うわぁ~っ!」
思わず声にならない声が出た。
その声に、祖母の幸子が飛んできた。
「カケル、どうしたの?」
幸子の目に、階段を見つめたまま一歩も動かず、おびえてふるえているカケルの姿が
写った。
おそるおそる階段を見上げると・・・。
何とそこには、5,6歳くらいの女の子が立っていた。
おびえるだけのカケルとは違って、祖母の幸子は徐々に落ち着いて行った。
「もしかして・・・あなたは。 ・・・・・・美沙子? 美沙子・・・よね?」
幸子は、まるでとりつかれたようにフラフラとカケルの横をすり抜け、女の子に向かって
階段を登って行く。
「そのおかっぱの髪は、私がいつも切っていた。 その赤いセーターは、私が編んだものよ。
間違いない。」
泣いていた女の子は、ふと泣くのをやめて不思議そうに幸子を見つめた。
カケルはようやく体のこわばりが消えて、普通に考えることができるようになった。
「おばあ・・・ちゃん」
声をかけると、幸子は女の子を見つめたままで言った。
「この子は・・・美沙子よ。5歳の頃の。間違いない・・・美沙子だよ」
そして涙で声をつまらせながら手を差し伸べた。
「美沙子って・・・母さんのこと? でもどうして?何で母さんなの?」
現実の母・美沙子は、自分を5歳のユナだと言い張って病院にいる。
そして今度は、5歳の美沙子がここにいる。
一体、どうなっているのだ・・・・?
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by luchiah2r8m5
| 2006-12-03 13:56
| MoonBird